野球は独自のポジションとルールが豊富なスポーツであり、その中でも内野ポジションの一つである「ショート」、または「遊撃手」と呼ばれるポジションは、その特異性から多くの興味を持たれる対象となっています。
ショート以外の内野は塁(ベース)と呼び方がイコールとなっているのでわかりやすいのですが、なぜかショートだけは塁と連動していません。
この記事では、ショートとは何か、そしてなぜ「遊撃手」と呼ばれるのかについて解説します。
なぜ「ショート」と呼ばれるのか?
ショートとは、野球における守備位置のひとつで「二塁と三塁の間を守る内野手」という意味です。日本語では「遊撃手」とよび、英語では、「shortstop」と書きます。
「ショート」は、「ショートストップ」を短縮した野球用語です。
二塁ベースと三塁ベースの間にポジションをとる内野手のことです。
ショートは守備番号が「6」であるため、特に学生野球ではショートを守る野手の背番号は「6」であることが多いです。
ショートは、守備範囲が前後左右に広いため、素早く動けなくてはいけず、また肩の強さも求められます。
またけん制・シフトプレイ・ダブルプレイなど、連携プレイのほとんどに関係します。そのため、ショートを守る野手には、運動能力にくわえて、判断力も求められます。
なぜ「ショートストップ」と言うのか?語源は?
ショートストップは、「ショート(短い)」と「ストップ(止める)」からなる言葉です。
もともと野球ができたばかりの頃は、今とは守備位置が違っていました。
当初、ショートは2人(!)いて、守る位置もピッチャーの横のバッターと距離が近い場所でした。
打球の距離を短く止める、という役割から「ショートストップ」とよばれていたわけです。
その後、ショートストップは二人から一人になり、二塁ベース上を守っていた二塁手が一塁寄りにポジションを移したことにより、次第にショートストップも守備のバランスをとるために、二塁と三塁の間を守るようになっていきました。
最初から2塁と3塁の間にいたわけではないんですね。
ショート(遊撃手)の役割とは?
ショートはとても多くの役割を担っています。
ショートの守備位置は、2塁ベースと3塁ベースの中間ですが、ベースを結んだラインより少し後ろ。
そこを中心に、内野手の中で最も広い範囲を守ります。
2塁側はピッチャーのすぐ後ろからセンターとの中間辺りまでで、3塁側は3塁後方のファールグラウンドまでが守備範囲となります。
広いエリアへの打球をエラーすることなく処理するのが、最も重要な役割です。
さらに、ベースカバーもショートの大きな仕事で、2塁と3塁をカバーしますが、主に2塁のベースカバーに入ります。
セカンドの選手と接触しないよう、連携をとりながら塁を守るのが役割で、サードが打球を捕るために飛び出した場合は3塁のベースカバーに入ります。
センターからレフトに打球が飛ぶと、ショートは外野からの送球を中継するカットマンの役割を担います。
外野からの送球が良い場合は瞬時にノーカットにする判断もしますし、またセンターからライト方向に打球が飛ぶと、ショートは2塁のベースカバーに入りながらセカンドに中継の指示を出すこともあります。
ショート(遊撃手)はなぜ難しいのか?
役割の多さを見ても重要なポジションであることが分かるショートですが、難しいポジションでもあります。
ショート(遊撃手)は野球の内野ポジションの中でも特に特別な役割を果たす選手です。彼らのポジションは他の内野選手と比べて守備の要求が高く、その理由はいくつかあります。
まず第一に、ショートはボールを処理する際に高度なテクニックを必要とします。ショートへの打球は非常に速い打球が飛んでくることがあるため、正確なフィールディングや素早い反応が求められます。
そして、打球が飛んでくる回数も多く、その都度瞬時に判断し、適切な行動を取る必要があります。
また、ショートは内野の中心に位置し、打球があちこちに飛んでくることから、守備範囲も非常に広いです。彼らは速さと機動力が必要で、遠くのボールに迅速に駆けつける必要があります。これによって、チームの勝利に大きく貢献します。
さらに、ショートは打球をキャッチした後、正確に一塁へ送球しなければなりません。特にダブルプレイの場面では、速い送球が不可欠です。ベースランナーをアウトにするために、正確な送球が求められる瞬間です。
また、ショートはプレッシャーを感じることが多いポジションです。ゲームの重要な瞬間やランナーが得点圏にいる状況で、エラーやミスが試合結果に大きな影響を及ぼす可能性があります。そのため、メンタルな強さと冷静さも非常に重要です。
要するに、ショートは野球の内野で非常に重要なポジションであり、高度な守備技術、速さ、機動力、正確な送球、プレッシャーに対する耐性が必要です。そのため、多くの野球選手にとって、ショートポジションは非常に難しいとされています。
まとめ
野球のショート、通称「遊撃手」は、野球の内野ポジションの中でも特に特異的で魅力的な役割を果たす存在です。
このポジションは高度な守備技術や機動力が求められ、野球の歴史と深く結びついた名前の由来も面白いものです。
遊撃手は、他の内野ポジションに比べてさまざまなプレッシャーや難題に立ち向かう必要があります。ボールが速く飛んできたり、遠くのボールに迅速に駆けつけたり、正確な送球をするなど、その技術と能力が光ります。
野球ファンにとって、ショートのポジションは単なる内野のポジションではなく、その名前にも歴史と情熱が詰まっていることを知ることが、野球愛を深める一歩と言えるでしょう。
遊撃手たちは野球場で魔法のような守備を繰り広げ、私たちに感動を与えてくれる存在です。
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