少年野球において、優秀なピッチャーとして活躍できる素質を持つ選手には、いくつかの特徴があります。
少年野球のピッチャーとして適した投手はどのような人なのか、指導者が見極めるポイントについてご紹介します。
少年野球ではピッチャーが人気の理由
少年野球では、ピッチャーが人気のあるポジションの一つです。これは、指導者が野球のセンスを感じる子供たちをピッチャーとして起用しているからであり、子供たちの希望もあってますます人気が高まっています。
ピッチャーをやっている子供たちは、見た目からして他のポジションの子供たちとは異なり、体も手足も大きく、素質を感じる子供が多いように見受けられます。彼らは打順の1番やクリーンナップなど、中心的な役割が期待されることが多く、投手としても野手としても活躍できる存在です。
しかし、ピッチャーになりたいという子供たちは限られており、多くの場合は2番手や3番手のピッチャーとして練習をすることになります。また、少年野球では先発投手が1試合投げ切るのが基本的な考え方であり、このために素質のあるピッチャーが大切視されることも事実です。
仕方のないところもあるとはいえ、レベルの差が現れやすいポジションでもあります。したがって、少年野球の試合では、エースピッチャーが1試合投げ抜くの普通であり、後半戦は別のピッチャーが登板することもあるかもしれません。
このように先発・完投が基本となっているのは、高校野球まで同じ考え方であり、アメリカなど野球の本場でも同様になっています。ただ、賛否両論があり、一概にどちらが正しいとは言い切れないところもるでしょう。
少年野球のピッチャーに必要なセンスはコントロール
子供たちの少年野球において、ピッチャーに必要な能力は何でしょうか。
まず、何よりも大切なことは「狙ったところに投げること」です。
この能力は、投げ方やフォームから一目でわかります。ピッチャーに向いているセンスがある子には、2つのタイプがあります。
まずは、投げ方のセンスがよく、コントロールが素晴らしい子です。
彼らはトレーニングをしなくても、しっかりと狙った場所に投げることができます。
もう1つは、球速が速く、投げ方にダイナミックさがある子です。
この子たちは、将来的に良いピッチャーになる可能性があります。
しかし、球速が速い子よりもコントロールが良い子をピッチャーとして選ぶことをおすすめします。
理由は、後ほど説明しますが、コントロールが重要なためです。
もちろん、球速が速く、コントロールも優れた子供がいたら、彼らを迷わずピッチャーに育てるようにしましょう。
少年野球でピッチャーのセンスがある選手を見極める方法
少年野球において、ピッチャーを選ぶ際には、どのようなポイントに注目するべきでしょうか。年齢が若いということもあり、かけ離れた才能を秘めている場合があります。
キャッチボールの際に運動神経が良い、素質があるといったことが分かることがあるかと思いますが、実は意外な部分に才能ある子供もいるのです。そこで、どのようなポイントに注目するべきか、ご紹介したいと思います。
ピッチャーのセンスがあるかを見極める3つのポイントをご紹介します。
ピッチャーに必要なセンス① 瞬発力
ピッチャーに向いている選手には、瞬発力がある子供が多く含まれていると考えられます。
野球では、野手として走力を活かす選手が多くいますが、実はピッチャーには運動神経の良い子供がふさわしいとされています。
例えば、イチローや山田選手のように塁に出て盗塁を決める選手がいる一方で、大谷翔平選手のようにピッチャーとしてもバッターとしても優れた選手にも共通するのは、足が速いことです。
運動神経の良い子には、一定のセンスがあることが多く、これが瞬発力として現れることが多いです。
特に短距離走が速い子供は、ピッチャーとして素質を秘めている可能性が高いため、ピッチャー最有力候補として考えることが望ましいでしょう。
ピッチャーに必要なセンス② 持久力
ピッチャーといえば腕の力が重要なのかと思われがちですが、実は下半身も同じくらいに重要。
正しいフォームでピッチングをするためには、下半身が安定していることが必要で、そこからスムーズな重心移動ができることで、球威やコントロールが決まります。
それ故、短距離だけでなく、長距離走が速い子もピッチャーとしての素質を持っている可能性があります。
長距離走は持久力を必要とするスポーツのため、下半身の筋持久力がしっかりしている子は特にそうでしょう。
また、少年野球の中でも先発・完投が基本ですので、スタミナも非常に重要な要素になってきます。
確かなスタミナを持つマラソンが速い子には、ピッチャーとしての素質が備わっていると言えます。
ピッチャーに必要なセンス③ 肩の強さ
野球で最も重要な動作は投げることです。遠投に挑戦し、60m以上を投げる子供は肩が強いとされ、ピッチャーに適している可能性があります。
肩が強い子供には、適切な投げ方の基礎を教えることで、さらに長距離を投げられるようになでしょう。
また、スピードガンを使うことで、全員のボールの速さを確認することができます。 少年野球で120キロを投げられる子がいれば、その子はピッチャーに適した素質があると言えるでしょう。
ただし、120キロ投げられてもストライクが入らないよりも、100キロで正確に狙ったところに投げられる子の方が、野球のピッチャーとしては優れた素質を持っていると言えます。
どちらのタイプかしっかり見極めて、その子にあった投げ方や指導の仕方をするのが、指導者には求められるのです。
少年野球のピッチャーはコントロールが大切な理由
少年野球において、ピッチャーがコントロールを重視する理由は将来のことだけでなく、チームにとってもメリットがあると言えます。
コントロールがしっかりしているピッチャーは、ストライクを取ることができ、チームを強くすることができます。少年野球界では、ストライクが取れるピッチャーがいるチームは強いとされています。
プロ野球では、どの選手も実力が拮抗しているので、甘いコースに投げると打たれてしまいますが、少年野球ではそんなに厳しい状況はありません。
極端な例を挙げると、際どいコースに投げるよりも、全球真ん中に投げられる方がチームに勝ちをもたらすことがあるのです。
そのため、少年野球において、コントロールの良いピッチャーは非常に貴重です。全員が技術を磨いている中、コントロールを磨くことがチームの強さに直結するため、ピッチャーは常にコントロールに注力する必要があります。
少年野球で一番多いのはフォアボール
少年野球において最も得点されるのはフォアボールからだとされています。この現象は、ボールカウントが進んでしまい、フォアボールやホームランを恐れたピッチャーが甘いコースをげてしまい、バッターに打たれることが多いからです。
ストライクを厳密に投げきることできる自信にあふれたピッチャーよりも、投球が乱れて狙った通りにボールを投げきれない不安を抱えたピッチャーのほうが、バッターからは嫌われることが多いです。
たとえ球速が速くても、小学生の投手は120キロ程度が限界です。もし小学生のピッチャーが140キロを投げられたとしても、それは異例中の異例です。
もちろん球速は重要ですが、ストライクゾーンに投げなければ恐ろしくありません。バッターにとって、ヒットを打つよりもフォアボールを狙う方が効率的ですから。
たとえ少年野球において選手たちがクレバーであっても、決勝戦などで勝つためにはストライクを先行させるピッチャーの方が、強豪バッターからしても厄介になる可能性があります。
まとめ
少年野球のピッチングにおいて、最も重要な素質はコントロールです。素質を見極めるためには、3つのポイントに注目しましょう。
素質を伸ばすためには、球よりもコントロールを重視したトレーニングを行うことが大切です。具体的には、投球フォームや投げ方をマスターすることで、コントロールアップが可能です。指導者は、適切な指導を行い、怪我などを防ぐように注意しましょう。
シャドウピッチングは、コントロールをよくするために非常に有効です。これによって、ピッチャーがより正確な投球を身に付けるこができます。指導者は、選手が適切な方法でピッチングを行っているか、しっかりと確認しましょう。
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